電子定款の認証手続きにおいて、近年「XML署名付きPDF」という新しい署名形式が採用されました。これは法律が変わったわけではなく、公証役場側の運用がアップデートされたものです。利用者側の操作は大きく変わりませんが、委任状の扱いなど一部で新しい運用が加わっています。この記事では、公式情報を踏まえながら、誤解のないようにやさしく解説します。
XML署名付きPDFとは?
電子定款の認証に必要な書類は、主に次の5つです。XML署名付きPDFとは、PDFの内部に「XML形式の署名データ」を埋め込んだ電子署名方式です。従来のPDF署名よりも、改ざん防止や署名の検証が強化されています。
ポイント①PDFに「XML形式の電子署名」が使えるようになった
これまでは「PDF形式の電子署名」が必須でしたが、今後はPDFファイルにXML形式で電子署名された文書も認証対象 になります。
ポイント②委任状に「複数の発起人が電子署名」できるようになった
以前は、発起人1人につき1通の委任状が必要でした。新方式では、1通の委任状に複数の発起人がXML形式で電子署名できるようになります。
メリット
- 委任状の枚数が減る
- 発起人が多い場合の負担が軽減
- 書類管理がシンプルに
ポイント③1つの申請で「定款+複数の電子委任状」を添付できるようになった
従来は、定款と委任状を別々に申請する必要がありました。新方式では、1つの申請で定款と複数の電子委任状をまとめて添付できます。
メリット
- 公証役場とのやり取りが減る
- 申請がスムーズ
- 書類の提出漏れが起きにくい
<参考>
XML署名方式(拡張電子署名方式)については、日本公証人連合会が公式に案内を公開しています。新方式の背景や技術的な位置づけについて確認したい方は、こちらをご覧ください。
日本公証人連合会|拡張電子署名方式(XML署名)について
従来方式との違い(比較表)
| 項目 | 従来方式(PDF署名) | 新方式(XML署名付きPDF) |
|---|---|---|
| 署名形式 | PDFに電子署名 | PDF内部にXML署名データを埋め込み |
| 認証対象 | PDF署名のみ | PDF署名+XML署名の両方が認証対象 |
| 改ざん検知 | 通常レベル | より厳密な検証が可能 |
| 委任状の扱い | 発起人1人につき1通必要 | 1通に複数人が電子署名可能 |
| 申請時の添付 | 定款1ファイルのみ添付委任状は別申請 | 1申請で定款+複数の電子委任状を添付可能 |
| 公証役場での確認 | 従来の検証方式 | 自動チェックが強化され効率化 |
| 利用者の操作 | マイナンバーカードで電子署名 | 基本的には同じだが、委任状の署名方法が変わる可能性あり |
利用者側の負担は「大きくは変わらない」が注意点あり
XML署名方式の導入により、利用者の操作が大幅に増えるわけではありません。ただし、委任状の署名方法や添付方法が変わるため、公証役場の案内に従う必要があります。
注意点
- 委任状の署名方法が「PDF署名」→「XML署名」に変わる可能性
- 公証役場ごとに運用が異なる
- 事前確認が必須
- 電子署名ソフトの仕様が変わる場合がある
なぜXML署名付きPDFが導入されたのか?
公証役場での確認作業をより正確・効率的に行うためです。電子定款の利用が増えたことで、署名の真正性をより厳密に確認できる方式が求められていました。
メリット
- 改ざん防止が強化
- 公証役場での確認がスムーズ
- 将来的な電子化に対応した形式
利用者が気を付けるポイント
PDFを加工しない
署名後にPDFを編集すると、署名が無効になることがあります。
パスワードの確認
署名用電子証明書のパスワードを忘れると手続きが止まります。
公証役場ごとに案内が異なる場合がある
新方式の運用は公証役場によって微妙に異なることがあります。
行政書士が代理で行う場合のサポート内容
XML署名付きPDFの導入により、公証役場とのやり取りが少し複雑になる場面もあります。行政書士に依頼する場合は、次のようなサポートを受けられることがあります。
PDF形式のチェック
署名形式が正しいか、公証役場の仕様に合っているかを確認します。
電子署名のサポート
マイナンバーカードの読み取りや署名ソフトの操作を案内します。
公証役場との調整
追加資料や確認事項がある場合、行政書士が対応します。
まとめ:XML署名付きPDFは「安全性が高まり、運用がより柔軟になった」方式
XML署名付きPDFは、従来方式よりも安全性が高く、公証役場での確認もスムーズになります。利用者側の基本的な操作は大きく変わりませんが、委任状の署名方法など一部の運用が変わる場合があります。
最新の案内は、公証役場の指示に従って進めることが大切です。
最後に
電子署名やPDF形式の確認に不安がある場合は、行政書士に相談するという方法もあります。必要な部分だけサポートを受けることもできますので、無理のない形で進めてみてください。


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