建設業許可の「常勤」と「専任」の違いを整理し、主な証明書類もまとめました

建設業許可では「常勤」と「専任」という言葉が頻繁に登場しますが、この二つは似ているようで意味がまったく異なります。常勤は、その営業所に日常的に勤務しているかどうかという「勤務実態」の要件を指します。一方、専任は、その役割に専ら従事しているか、つまり他の会社や他資格の業務などと兼務していないかという「兼務の有無」の要件を指します。建設業許可では、経営業務管理責任者(経管)には「常勤」であることが求められ、専任技術者(専技)には「常勤」であることに加えて「専任」であること(=営業所に常勤し、専らその業務に従事すること)が求められます。特に専任技術者は専任性の要件が厳しく、他社の役員はもちろん、他営業所での業務や、他法令で専任性が求められる資格(宅建士など)との兼務も原則として認められません。このように、常勤と専任はそもそも概念が異なるため、まずは考え方を整理したうえで、常勤の説明と主な証明書類、専任の説明と主な証明書類、そして建設業許可で常勤・専任が問題となる具体的な場面を順番に確認していきます。

目次

常勤とは(勤務実態の要件)

常勤とは、その営業所に日常的に勤務している状態を指します。 建設業許可では、経管と専技のいずれについても「常勤であること」が求められます。ここでいう常勤性は、形式ではなく「実際にその営業所で働いているかどうか」という勤務実態によって判断されます。

常勤と認められる例

  • 原則として本社・営業所の開庁時間に合わせた継続的な勤務があること
  • 社会保険(健康保険・厚生年金)にその会社で加入していること(法人の場合)
  • 定期的な給与の支払いを受けていること

常勤と認められにくい例

  • 他社で社会保険に加入しており、そちらで常勤扱いとなっている場合
  • 自宅と勤務地が極端に離れている場合
  • 短時間のアルバイト・パート勤務に近い非常勤形態の場合
  • 工事現場の専任の配置技術者(主任技術者・監理技術者など)を兼ねている場合(専任技術者の場合)
  • 通勤が物理的に困難な遠方に居住している場合

常勤の主な証明書類

  • 社会保険の加入が確認できる書類(健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定通知書、資格確認書など)※法人
  • 住民税の特別徴収状況が確認できる書類(特別徴収税額決定通知書など)+生年月日確認書類(運転免許証等)※法人
  • 直近の確定申告書の写し※個人事業主
  • 直近の所得証明書(原本)※個人事業主

※埼玉県の場合は法人及び個人事業主とも上記のどちらか1つで証明します。

※上記はあくまでも例示であり、これ以外にも証明できる書類はあります。また、法人で対象者が75歳以上の場合や、個人事業主のもとで働く従業員の証明では上記と異なる書類で証明する場合があります。

専任とは(兼務の有無の要件)

専任とは、その営業所の業務に専ら従事している状態を指します。建設業許可では、専任という要件が求められるのは専任技術者(専技)のみであり、経営業務管理責任者(経管)には専任の要件はありません。専任技術者についての専任性は、「営業所に常勤していること」に加えて、「他社や他営業所、他法令で専任性が求められる資格の業務などと兼務していないこと」という兼務の有無によって判断されます。

専任と認められる例

  • 営業所に常勤しており、他社の役員や他営業所の技術者を兼ねていない場合
  • 宅建業など、他法令で専任性が求められる資格の専任者を兼ねていない場合
  • 社会保険の加入状況や登記事項証明書などから、他社で常勤勤務や役員就任をしていないことが確認できる場合

専任の主な証明書類

専任は常勤の確認資料において確認できることが多いですが、場合によっては通勤を裏付ける資料や賃金台帳等の追加提出を求められる場合があります。

建設業許可で常勤・専任が問題となる主な場面

経営業務管理責任者(経管)

経管には、自社の役員・事業主として常勤していることが求められます。 他社の役員を兼ねている場合でも、当該営業所での常勤性が明確であれば認められるケースがありますが、他の営業所の経管を兼務することはできません

専任技術者(専技)

専任技術者には、「常勤」であることに加え、「専任」であることが求められます。 他社の役員兼務や他営業所での専任技術者兼務、他法令で専任性が求められる資格との兼務は原則として認められず、その営業所だけで技術責任者を務める必要があります。

更新・変更届の場面

経管や専任技術者が変更になった場合、営業所を移転した場合、他社の役員兼務が新たに発生した場合などには、常勤性・専任性の再確認が行われます。

まとめ

常勤は「勤務実態」の要件であり、その営業所に日常的に勤務しているかどうかを確認するものです。

専任は「兼務の有無」の要件であり、その役割に専ら従事しているかどうかを確認するものです。

建設業許可では、経管には常勤性が求められ、専任技術者には常勤性に加えて、他社や他資格との兼務が原則認められない専任性も求められます。常勤と専任の概念の違いを整理しておくことで、申請や更新の際に迷う場面を大きく減らすことができます。

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この記事を書いた人

埼玉県三郷市で、建設業の許認可や宅建業の免許申請等を中心に支援している行政書士です。
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学び続ける姿勢を大切にしながら、依頼者の方の次の一歩に寄り添って参ります。
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